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でたらめに回答した場合の選択式(択一式)試験の合格率

資格試験は、マークシートによる選択式(択一式)が多い。
問題数が n = 20個、選択肢が 5個、合格ラインが 60%以上(正解数 15以上)の時に、でたらめに回答した場合の合格確率を計算する。

二項分布

でたらめに回答した場合、一問の正解率は p = 1/5 、不正解率は 1-p = 4/5 である。正解数が i 個なら、不正解は n-i 個ある。
n 個の問題のうち正解する問題を i 個選ぶ組み合わせ(不正解を n-i 個選んでも同じ) は nCi あるので、i問正解する確率 P(X=i) は次式となる。
P(X=i) = nCi × pi ・ (1-p)20-i = 20Ci × (1/5)i ・ (4/5)20-i   【式1】

いわゆる二項分布の式である。15個以上正解する確率 P(X≧15) は、
P(X≧15) = Σi=15...20 P(X=i) = Σi=15...20 20Ci × (1/5)i ・ (4/5)20-i   【式2】

数値計算すると合格率は、P(X≧15) = 1.8 × 10-7 という非常に小さな値となる。マークシート試験だからといって無勉強で受験することは無謀である。

正解数 i 確率 P(x=i)
151.664729 × 10-7
161.300570 × 10-8
177.650410 × 10-10
183.187671 × 10-11
198.388608 × 10-13
201.048576 × 10-14
1.802764 × 10-7

別解 マークシートの塗り方を全て数える

5 個のうち1つ塗るのを、20個行う組み合わせは、520 である。
i 問正解、 20-i 問不正解のパターンを考える。
20 個の問題のうち、不正解が 20-i 個となる組み合わせは、20C20-i 個ある。
1つの問題について正解の塗り方は 1つしかないが、不正解の塗り方は 4つあるので、
i 問正解の全塗り方パターンは 20C20-i × 420-i である。よって、i 問正解の確率は P'(i) は次式となる。
P'(X=i) = 20C20-i × 420-i / 520   【式3】

これは、式1と等しい。